問い合わせがあったのでお答えする。新版『屈辱er大河原上第1巻』は、旧版のそれに9話分足した内容となっている。そのぶん定価も1050円と高めになっている。
なぜこんなことになったか。旧版の出版元から2巻発売の打診があったとき、その条件が「ダイジェスト版」ということだった。全話収録ではなく、いいとこどりで行こうと。それもある程度はしかたのないことかとも坂本タクマは思った。しかし、よくよく話を聞くと、その当時100話を超えていた雑誌掲載作品のうち、1巻と同じ話数の収録になるということだった。1巻収録分以降の80話ほどの中から22話が選ばれるということで、7割以上の話がカットされる計算になる。それでは読者も作者も出版元も誰も得をしないと坂本タクマは判断した。そんなところへ、三才ブックスから話があり、全話収録という条件で折り合ったのだった。新版が別の出版社から出るからには旧版との差別化を図るために収録話数を増やすくらいのことはしなければならない。そのために旧1巻をお買いあげの方々にはご迷惑をおかけすることになるが、大幅にカットされたりまったく出なかったりするよりはいいだろうと、葛藤しながらも新版発行を決断した次第だ。
ダイジェスト版とはいえ何とか2巻を発行しようと尽力くださった旧版の出版元の方々や1巻をお買いあげの読者の皆様には、坂本タクマにしては珍しく、心よりお詫び申し上げる。単行本発売のたびにこのような景気の悪い話をしなければならない自分の力のなさにがっかりはするが、では具体的にどういう努力をすればこんな状態から脱することができるかという話になると、今ひとつわからない。
なお、ネット経由で三才ブックスに注文したところ、発売日前にもかかわらずもうモノが届いたという読者からの報告を受けた。今のところ最も確実に迅速に手に入れられる方法であると思われる。（2004/10/3）

2004年10月8日、超話題作『屈辱er大河原上』の第1巻、第2巻が同時発売される。どこが超話題なのかといえば、本作品2度目の1巻である点と坂本タクマ生涯初の2巻である点だ。雑誌連載中の作品の単行本が出版元を替えるというのは極めて異例であると言ってよかろう。大丈夫なのだろうか。
しかしそんなことよりも、この坂本タクマが、あの坂本タクマが、2巻を出版するということのほうが大事件だ。これでようやく1巻作家から脱却できる。
というようなことはカバーの折り返しにかなりの苦労をして書いたので読んで頂く。今言わなければならないのは、例によってこの単行本はA5サイズ、やや大きめの製本となっている。普通の単行本の棚に行ってもまず見つからないので注意が必要だ。ただし大きめの本のコーナーに行ってもまず見つからない。ネットで注文するほうが確実だ。今のところ出版元である三才ブックス で注文できる。

最近読んだ本によれば、「これらが売れなければ3巻以降は出ない」という言い方はよくないらしい。「これらが売れれば、3巻以降が出るのだ!!」と考えよ。（2004/9/24）