100円ショップでサングラスを買った。
メガネに挟んで、メガネに重ねて使うようになっているものだ。

いきなり何らかの「デビュー」を果たそうということではない。
今さらデビューなどしてどうなるのか。
だいたいデビューしようとする者が100円ショップでメガネの上から掛けるタイプのサングラスなど買うものか。

坂本タクマはサングラスの本来の使い方をしたいだけだ。
すなわち、日差しから目を守るのだ。

掛けて出歩いてみた。
なかなか快適だ。
夏なのに、昼なのに、晴れなのにまぶしくない。

人々に恐れられるか、とも思ったが、まったくそんなことはない。
ただ、1歳の娘が初めて見たときには若干不審がっていた。
しかし、床屋から帰ってきたときの号泣に比べれば、なんということはない。

そうやって、散歩がてらスーパーに行った。
さすがに店内ではサングラスははずしていた。
すれ違ったひとりの男は、店内でもサングラスを掛けていた。
メガネの上からではなく、直接顔に、だ。
ガッチリとした首と手首に銀色のアクセサリーをジャラつかせている。
かなり昔にデビュー済みのようだ。

目が合ったりするとやっかいなので、サングラスで目を隠そうかと思ったが、事態を悪化させるだけだと気づきやめておいた。

2006/8/26